気まま記録

気合だけは、ある。

映画『ホテル・ムンバイ』【感想】

結論からいうと、映画として文句無く良かった❗️
最近観た映画の中では一番だ。
(人が殺されるところを見るのが耐えられない人には、とてもおすすめはできないけれど。)



緊張したり考えすぎたりですごく疲れたけど、自分だったらどういう行動を取ろうとか、テロが起こった社会的要因なんかについて、いろいろ考えさせられた。



*以下ネタバレ有りのため注意❗️

























内容を簡単に説明すると、2008年に実際に起こったイスラム過激派によるインドでの同時多発テロを描いた映画。



テロは大きな駅や人気のレストラン、ホテルなどで同時多発的に起こり、この映画では特にタージマハルホテルでの人質立てこもり事件を題材にしている。



予め概要を把握していたため、序盤はインドの平和な日常を描くだけで退屈かと思ってたいた。



しかしこの映画はテロ集団が川からインドに潜入する場面から始まっており、インドの平和な日常を描く合間に段々とテロリストが現場に近づく様子が分かり、終始緊迫感があった。



そしてテロリストと被害者たち両方の視点から描かれていたため、双方の思いや背景に思いを致すような作りになっていた。
テロリスト達があまりに若く、テロ首謀者に洗脳されていることもよく分かった。
(とにかく描写が丁寧で、事件の背景が分かりやすい)



彼らのやったことは決して許されないけれど、彼らもまた社会的弱者であるが故に凶行に至ったことを思うとやるせない。



ホテル従業員たちの行動も本当に立派だった。
普段は厳しい料理長が従業員の立場を慮って、自分の身を最優先に逃げることも許したのがすごい。



それでもなお、客を一人でも多く逃がすために残った従業員が多かったのは、やっぱりこういう上司がいたからだよね。



私が従業員の立場だったら、とにかく自分の身を一番大事に考えて逃げるかな。家族がいればなおさら。
仕事のために人生を捧げるという選択肢は、正直なところ極力取りたくない💧



だからこそ、彼らの行動は本当に尊いものだ。
映画の最後に、「犠牲者の半数以上は、客を守ろうとしたホテルの従業員達だった」という字幕が流れたときは、ちょっとうるっとした。
(だって実話だもんなぁ。彼ら一人一人にも大切な家族や、やりたいことがまだまだたくさんあっただろうに)



みんな死にたくは無いんだから、いざというときに一人一人が考えて適切な行動を取れるように、日頃からシミュレーションをすることが大事だよね。




だから私は、こういう非常事態の事例や、サバイバル術とかを日頃学ぶようにしてる。
いざというとき、自分や家族を守らないといけないから。まずは自分でやるというつもりでいなきゃ。



残酷だけど、こういう話も学校教育に取り入れた方がいいのかも。
戦争教育みたいに、いざというとき自分や大切な人をどう守るか考える重要性を説くために。答えのない問いについて考えるのは、思考訓練になると思うし。



この映画の宣伝文句にもあったけれど、このような事件は決して対岸の火事ではないし、日本や、旅先でも十分起こり得ることだ。



観るか観ないかの判断基準は、このような残酷な現実が世界で起きていることを直視するか、とりあえず目を背けて、ある日突然、何の心の準備もないまま現実に直面するかを選ぶということじゃないだろうか。



見聞きするあらゆることは、自分の身の回りでも起き得るということを、平和な日本においても皆が再認識しなくてはならない。